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日本のちびっこ本

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ガブリちゃん



中をのぞく
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中川李枝子/作
中川宗弥/絵
福音館書店 絶版1978年第10刷
210*190
カバー、裏表紙に少キズ
注文番号:J-470

これはなつかしい人にはナミダちょちょぎれの1冊ではないでしょうか。ご存知ぐりぐらコンビご夫妻のまぼろしの名作です。たねことこぐまのくまたと、そしてガブリちゃんの「はる・なつ・あき・ふゆ」のお話。
みかんの食べすぎできいろくなったガブリちゃん、おでこに歯があったらいいのにというガブリちゃん、そらまめが大好きなガブリちゃん、おとまりにきた帰り道、もちものを全部おっことして泣くガブリちゃん、サルビアの花びらが道しるべになったガブリちゃん。
わがままだけど憎めない、なんか気になるともだち。大人からみたらどうでもいいバカげたことなんだけど、ちいさいときの大切なこと。ガブリちゃんにふりまわされてるたねこも、くまたも、そして読者も、ガブリちゃんが大好きなのです。そしてヘンに「お話」として作ってないというか、ストーリーとして完結させようとかしてないので、ページを開けば、いつでもガブリちゃんと仲間たちに会えるよろこびに胸おどらせつつ、何度も何度もページを繰った人も多いのではないでしょうか。これを機会に、懐かしい人はぜひ再会していただきたいです。
1990年代はじめに名作シリーズで一度復刊したのですが重版せず、以後残念ながら絶版になっています。
星の牧場



中をのぞく
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庄野英二/作
長新太/絵
理論社の名作プレゼント
理論社 1963年初版 この版は絶版
262*197
函ヨゴレ、本体表紙まわり少シミ
注文番号:J-469


七夕の夜にちなんで、大好きな一冊を紹介します。これも強烈に好きな1冊です。また例によって好きすぎて、あまりピントの合った紹介ができないと思いますが、文庫でもでていますので、未読の方はぜひぜひ読んでみてください。
戦争ででかけた南の島で出会い、そして亡くした大好きな馬・ツキスミが忘れられないモミイチ。戦争からもといた牧場に帰ってきても、彼だけが聴こえるツキスミのひずめの音に耳を澄ます日々の中で、ひょんなことからハチミツを作るため、日本中をめぐるジプシー、ハチカイと出会います。ハチカイは山の中の小さなオーケストラの一員でした…。
この本の読者はまるでモミイチと一緒に夢の中を歩いているような錯覚に陥ると思います。南の島の鮮やかな原色、牧場の緑、マツムシソウの花のカーペット、山の花々、そして最後に一面の星空に包まれるまで。その夢は、甘くてほろっと苦くて、胸をしめつけられるくらい熱いので、はじめて読んだ時は、読後にちょっと放心状態になってしまった程です。そしてこれだけ「音楽」が聴こえる本も珍しいです。一番好きなツキスミとの世界、孤独なジプシーとの夜、にぎやかなオーケストラとの交遊、そしてここはネタバレになってしまうので書きませんが、一番最後のシーンで、みずみずしい音楽がトーンをかえて、響き渡っています。
挿し絵は、植物や動物、楽器の絵を作者自身が、そして物語の情景を先日、惜しくもお亡くなりになって長新太氏が描いています。お亡くなりになった、と書いていても、実感がわかないです。ちびっこ本の世界にとってのこの抜けた穴があまりに大きすぎるからかもしれません。そしてこれは個人的に長新太氏の仕事で大好きなものの一つですので、この大きな版でぜひ楽しんでください。でも、作者自身の絵もとても味があるので、こちらもぜひ楽しんでいただきたい。最後に描かれたツキスミ、じわりと来ます。



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