とくしゅう Vol.4 2002.1

-マザー・グースのうた-


2002年最初のとくしゅうは、マザーグース、もしくはナーサリーライムです。
ステキなイラストで読むもよし、原語のリズムを楽しむもよし、
独創的な訳を比較するもよし、もちろん何も考えないで楽しむもよし。
読めば読むほど、あたまじゃなくて、体に棲みつくことば。
ナンセンスと童心に隠された人生の真実や虚無や毒やらを
あなたなりの方法で読み解くもこれまたよし。
さあ、マザーグースの歌をくちずさみましょう。



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マラルメ先生のマザー・グース
ステファヌ・マラルメ/長谷川四郎・訳/柳生弦一郎・絵/原詩つき
晶文社 1977年初版
A5変・カバ少シミ有・帯
注文番号:OT-075

そうです、あのマラルメせんせいもマザーグースがお好きなのです。「火曜会」主催者であり、ドビュッシーはじめ多くの芸術家たちとの交友でも知られるフランスの詩人、ステファヌ・マラルメ。リセで英語の先生をしていたとき、実際にマザー・グースを教材に使っていた彼の、まさに自由自在な講義の再現ともいえる1冊です。マラルメ=難解?などという心配はとりあえず横においといて、おかしなおかしなイギリスの歌のマラルメ流解釈を楽しみましょう。



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マザーグースと絵本の世界
夏目康子著
岩崎美術社 1999年初版
B5 208ページ
カバー帯
注文番号:OT-076

いまでは星の数ほどもあるマザーグースに関する絵本。その本の世界をさまざまな本からの図版や、歌と挿絵の関係、チャップブックをはじめとする18世紀からの本の歴史まで、まさにマザーグース絵本のすべてを紹介。口絵図版ではラッカム、ウォルター・クレイン、コルデコット、グリーナウェイ、ルメールはもちろん、こちらで紹介したワイルドスミスや、ニコラベーリー、レイモンドブリッグス、アーノルドローベル、センダック、トミーデパオラ、リチャードスカリーなど…(とても書ききれません)の現代の作家の作品の挿絵がのぞけます。まさにマザーグース絵本のすべてが凝縮された1冊。マザーグース絵本のガイドブックとしても。



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The Wonder Book of COUNTING RHYMES
Compiled by June Pierce,Illlustrated by Virginia Parsons
WONDER BOOKS 1957年
A5縦変型
名前書き込み有
注文番号:LG-051

One two buckle my shoeをはじめとした数え歌のワンダーブック。イラストレーションがまたしてもかわいすぎです。最初の見開きも1から10まで、1はぞう、2はちょうちょ、3は家…といった具合にかわいいイラストとともに、数を覚えましょうというページ。ほかI love sixpenceやCounting cherriesなど、わくわくするイラストとともに、ちびっこやセサミのカウントじゃなくても、いっしょに数を数えたくなることうけあい。


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The Original Volland Edition MOTHER GOOSE
illustrated by Fredrick Richardson
Derrydale Books NY 1984年
285*220
注文番号:F-058

オズグッドグローバーが1915年にまとめあげたマザーグースは、長くアメリカで親しまれ、何度も出版されているまさに決定版です。大半の人はマザーグースというと、まずこの絵を思い出すのではないでしょうか?フレドリックリチャードソンの古典的だけど、ぜんぜん堅苦しくない絵柄は何度見ても飽きません。おなじみのナーサリーライムはほとんどすべてを網羅しているので、マザーグース事典としても便利な一家に一冊(?)の本です。


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My Honey Bear book of Rhymes
by Dorothy and John Taylor,illustrated by Brian Price Thomas
Modern Publishing NY 1989年
295*215
注文番号:F-059

ワードブックやカウンティングブックなどを出しているmy honey bearシリーズの中のナーサリーライムの本です。ハニーベアーのシリーズらしく、最初は、Round and round the gardenから。テディベアたちが庭でごろごろしてる絵がかわいい。数え歌や、言葉を覚える歌など、歌の種類別に編集されています。一部、譜面入り。


↑ボックス表+裏

↑表紙
だんだん馬鹿に/なぞなぞ/なぞなぞ
アップルパイ/アップルパイ
マザーグースの絵本1-3
+ボックスセット
だんだん馬鹿になってゆく、アップルパイは食べないで、なぞなぞなあに?みつけた
絵ケイト・グリーナウェイ/岸田理生訳
新書館フォアレディース/1977年
170*155
注文番号:J-207

こちらでも何度かご紹介してきたおなじみケイト+岸田理生のマザーグース本です。アップルパイの表紙と「だんだん馬鹿になってゆく」の中の絵が裏側についているかわいいボックスに入ったセットになっています。ボックス自体がかわいいので、このまま誰かにプレゼントしたくなってしまう…。

本の説明
だんだん馬鹿になってゆく…代表的なマザーグースを岸田氏の訳とグリーナウェイの挿し絵で。巻末のミステリ風味のコラムも面白いです。
アップルパイは食べないで…こちらはオヤツ系マザーグース。ABC順のライムや、「ひとりぼっちの時は」など気分に応じたライムのレシピ、ほんもののアップルパイのレシピも。
なぞなぞなあにみつけた…なぞかけのようなライム、ちびっこ心をくすぐる玩具のライム(スコットランド風片足とびの遊び方も)マザーグースのクイズ、ケイトの絵のぬりえなど、遊び心たっぷりの1冊。


little cock sparrow,Ding dong bell
where has my little dog gone?
oranges and lemons...
Brian Wildsmith MOTHER GOOSE
illustrated by Brian Wildsmith
Oxford University press UK 1983年
283*206
注文番号:F-056

「色彩の魔術師」として名高いワイルドスミスが描いたマザーグース。表紙はジャックホーナーなんですが、タロットやってるわたしから見るとどう見ても魔術師のカードにそっくりで、それがまたワイルドスミス自身に見えてくるのです。おいしそうにパイを食べてはいますけれども…。すっきりした白バックに彼独特のパレットから繰り出される美しい色がさえわたって、いやが応にも色彩の世界にひきこまれてしまいます。目で楽しむマザーグースとしては、強力おすすめの1つです。


round the mulberry bush
mis muffet
ding dong bell
Humpty Dumpty
and Other Mother Goose Songs
illustrated and arranged by H.A.Rey,Music copying and calligraphy by Christina Davidson
213*275
注文番号:F-057

ご存じキュリアスジョージでおなじみH.A.Reyが、10篇のマザーグースの曲の譜面をかわいいイラストで描きました。各見開きの左側にクリスティーナダビッドソンのピアノ譜、右側にレイのかわいいイラスト譜がついているという具合。曲にあわせて音符がひつじやパンケーキや犬になってたり!ちょっとやばいくらいのかわいさです。綴じが譜面台で使いやすいようにリングになってる細かい気配りも。


おんなのこって何でできてる?
ナンシーエチコート
誰がロビンを
マザーグースファンタジー
銅版画/東逸子・訳/矢川澄子
すばる書房 1984年3版
305*215
注文番号:OT-070


ファンタジー好きにはおなじみ東逸子の銅版画と矢川澄子のことばで織りなす幻想的なマザーグース。収録はかわいいナンシー・エチコート、マフェットおじょうさん、男の子ってなあに、女の子ってなあに、あめあめやんどおくれ、だれがクックロビンを殺したか、男がひとり死にましたなど、おなじみの14篇は、冷たく静謐な東逸子の銅版にぴったりはまるセレクション。版元品切。




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マザーグースをたずねて
鷲津名津江著
筑摩書房 1996年初版第2刷
A4
注文番号:OT-071

小鳩くるみという名前の歌手でもあった(私の世代だとアタックNO.1を思いだしてしまうのですが)鷲津氏はマザーグース研究の一人者でもあり、親しみやすい評論を展開してくれています。こちらは、まだ日本にマザーグース研究書があまりなかった頃、実際にその歌の生まれた場所を確かめたくなり英国留学を決めた著者が、ゆかりの地の風俗、建物、人物、数々のマザーグース本のページとともに、マザーグースのふるさとを探る1冊。




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マザーグース1.2.3
アーサーラッカム絵/寺山修司訳
新書館フォアレディース 1977年初版、1978年初版、1978年初版
170*155
注文番号:OT-072

マザーグースといえばまず思い浮かぶラッカム。これについてはもはや何も言うことはないですよね。マザーグースそのものともいえるあの挿絵に、寺山修司の訳というシアワセなマッチングを実現してくれた新書館に拍手。王道かつ古典ともいえる挿絵に、寺山修司の独創的かつ飛躍的な訳が、新しいマザーグースの地平に、読む人をさらってくれます。いま読んでもまったく色あせてないというか、ますますさえわたっているような気がしてしょうがないです。


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