スイスのひと。
カリジェ、フィッシャー、クレイドルフ、ロイピン、
フーバー。スイスって贅沢だ。


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ナシの木とシラカバとメギの木
アロワ・カリジェ作・絵/大塚勇三訳
岩波書店 1992年5刷
247*323

ひさびさにカリジェの絵本をのせました。スイスの山奥で暮らす4人家族と、3本の木と小鳥たちのお話です。ちいさな家のわきの、年とったナシの木と大きなシラカバ、メギの木。季節の移りかわりとともに、アトリやウグイス、カササギなどの鳥たちが訪れ、去っていきます。おとうさんとおかあさん、そしてむすめのバベティンとむすこのピトリンはやさしい目で見守っています。
「わたしのふるさとの道端の石ころの上に小さな奇跡が転がっている」と語ったカリジェ。自然とそこに暮らす人々への一貫したまなざしとその先にある奇跡の瞬きが、おなじみの素朴で愛らしい絵はもちろん、お話の中のそこかしこにも見つけることができます。しずかな雪がはじめはお菓子にさとうをふりかけたようで、それが雪のふとんとなり、さいごはなにもかもがゆっくりとやわらかな白いマントのかげにかくれる冬。かがやくようにきらびやかな夏の野原。シラカバの根元のベンチに座って語らう家族、冬の用意におかあさんが編むてぶくろ、そしてむすめのバベディンのたいせつな宝ものの、赤いちいさいふくろ。まっかで、きらきらのガラス玉がたくさんついていて、その中に針やはさみ、糸まきなんかが入っていて…。
以前、みちくさ帖のほうにも少しカリジェじょうほうを書きましたので、よかったらこちらもご覧あれ。


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猫のヤーコプうちあけばなし
トーマス・ヘルトナー作/スヴェン・ハルトマン絵/犬飼智子訳
CBSソニー出版 1979年初版
285*234

世界中で愛されているスイスのネコ、ヤーコプシリーズの一冊です。猫好きがきっかけで意気投合した劇作家のヘルトナーと風刺画家・デザイナーのハルトマンが作った愉快なネコ、ヤーコプ。飼い主である「あいつ」のところにやってきて、「あいつ」を教育し、しあわせに暮らしてきた彼のひとりごと。あいかわらずネコ好きのツボつきまくりのしぐさや表情、さらさらっと描かれた風刺画の間にはさまれる叙情たっぷりのタッチや、コラージュなど、変幻自在のヤーコプの魅力をお楽しみください。絶版。


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シモンとクリスマスねこ
クリスマスまでの24のおはなし
レギーネ・シントラー文/ジータ・ユッカー絵/下田尾治郎訳
福音館書店 1994年2刷
B5変型

スイスの児童文学者シントラーと同じくスイスのデザイナーユッカーの作品です。
クリスマスを待ちきれないシモン。みかねたパパが飼いねこのフローラにそっくりなねこの絵をかいて、そのしっぽに24本の線を描きました。それを1つずつ塗りつぶしながら、シモンは1日に1つずつ、ぜんぶで24のクリスマスのお話を聞くことになります。いわば、アドベントカレンダーならぬアドベントベッドタイムストーリーですね。
クリスマスまでいっしょうけんめい家族の靴をみがく小さな白い犬の話、はちみつケーキや星のかたちのクッキーをたべてしまうネズミのお話、女優になりたいねこの話、クリスマスの街の飾りつけで目立てないとふくれるお月さま、雪だるまのスタニスラスの詩、…パパやママが語るお話だけでなく、シモン自身も窓ガラスの雪の結晶とお話して、雪の女王とあいさつしたり…。
ところで、この本、わたしがオトナになってからちびっこ本に興味をもつきっかけになった本です。ふんわりこころ温まるホットココアのような24のお話は、いつでもしあわせな時に戻れる、クリスマスのお守りのような気がします。シモンがおばあちゃんにもらった琥珀の石のように。



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ブレーメンのおんがくたい
ハンスフィッシャー絵/瀬田 貞二訳
福音館書店 1981年32刷
A4

もう、トゥインクルブックスではおなじみのハンスフィッシャーです。そしておなじみのブレーメンのお話。彼が娘さんのクリスマスの贈り物として描き上げたものです。松居直せんせいは「これは鳥羽僧正なみだ!」とうなり、そしてウチの近所のイカすちびっこに見せたときの「動物が踊ってる」という感想そのままの、まさにこれぞハンスフィッシャー、独特の筆さばきが冴える、動物たちの動きと表情の豊かさ。古典童話にまた新たなおもしろさを加えてくれてます。


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