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ちいちゃなおんなの子のうた わたしは生きてるさくらんぼ デルモア・シュワルツ ぶん バーバラ・クーニー え しらいしかずこ やく ほるぷ出版 「わたしはちっちゃなさくらんぼ。毎朝、わたしはあたらしくなるのよ。」「わたしは赤。わたしは金。わたしはみどり。わたしは青。」見開きごとに景色が変わり、色彩が展開していく。オンナノコは日々、季節とともに色を変えるのです。私的には宝物にしている、世界一好きなイラストレーターの作品。 |
タイトルページ 見開きページ。飾り罫にご注目を。ここは眠ってしまう場面。 |
いばらひめ グリム童話 エロール・ル・カイン・え やがわすみこ・やく ほるぷ出版 「イメージの魔術師」とよばれ、アニメーション作家としても知られるル・カインの作品の中でも特に美しい1冊です。それは、磨き上げられた宝石のような美しさ。緻密かつ、丹念に描かれた絵に、思わずページをめくる指が止まってしまいます。モチーフ使いなどは、西洋の風味があるものの、その中に東洋のテイストもどこかに感じられて、まさに独特のル・カインワールド。そして、それぞれの絵の右側にある文章のまわりにつけてある飾り罫に注目!そのお話の内容にちなんだ絵が描きこまれているのです。たとえば、おいわいのうたげの場面では、飾り罫には、テーブルが、王様が国じゅうの「つむ」を燃やす場面では、もえる「つむ」が罫の中に、織り込まれています。すごい芸の細かさにただただため息をつくしかありません。 |
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la Maison de Bebe by Marie Blair un petit livre d'or,Paris A5変型 メアリーブレアの絵を見るとなんだか懐かしく感じる人が多いと思うのですが、それもそのはず、ちいさな頃にふれた憧れのクラッシックディズニーのアートワークで活躍した人だからです。わたしたちがこころ踊らせたアリスや、シンデレラ、ピーターパンのバックグラウンドやカラースタイリングは彼女の手によるもの。ほかにもファインアートや、広告でも活躍した彼女ですが、今回は「I can fly」以外で、彼女がゴールデンブックに遺した名作を2冊紹介します。この本は、アメリカでかなりのコレクティブルになってて、ウチで紹介するにはちょっと…な価格なので、ちょっとテを変えてフランス版で仕入れました。 こちらはアメリカでは「Baby's House」というタイトルで紹介されたものです。I can flyの男のこ版ともいえるかな。ちっちゃな男のこがお部屋からでてから1日の様子を追っているものです。おもちゃで遊んだり、お風呂にはいったり、ごはんをたべたり。ちゃんとお皿を洗ってるところがエライです。そしておとうさんとおかあさんとだんらんしたあと、眠りにつきます。という、たんたんとした話なのですが、メアリーブレアらしい、モチーフがそこかしこにあって、かわいいのなんの…。そしてフランス版ゴールデンブック、リーヴルドールだけの特典、メアリー自身がデザインした裏表紙のかわいいパターンもお見逃しなく。 |
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The Golden Book of Little Verses by Miriam Clark Potter,pictures by Mary Blair Big Golden Book,Golder Press, NY 1962年 こちらはメアリーが大判のゴールデン、ビッグゴールデンブックで描いた作品です。ミリアムポッターの書いたちびっこ詩に、それはそれはもう、ためいきがでるようなかわいい絵をつけています。もともとは「HIGHLIGHTS FOR CHILDREN」誌に連載されたものに加筆して1冊の本にしたもの。男の子や女の子、動物などのキャラクターのかわいさはもちろん、背景やモチーフなど、彼女の本領ともいえるそれぞれのシーンの「雰囲気づくり」がこういったヴァースもの(英米に多い児童詩の絵本)にぴったりです。できればスティーブンソンの「Child Garden of Verses」も描いてほしかったなあとリクエストをしてみたくなってしまいます。 どのページも息をつくひまもないほど、クラクラのかわいさがおしよせてきます。詩の世界がページを超えて、こちらまで広がってくるようです。そういう意味で「飛び出す絵本」ならぬ「飛び立つ絵本」となづけましょう。 |
A cow can moo,I can too. Swish!,I'm a fish. My house is like a mouse's. |
I CAN FLY by Ruth Krauss,pictures by mary blair LITTLE GOLDEN BOOK もともとは1950年代の本です。これはほんとにイラストのタッチがかわいくて、わたしの中でもゴールデンベストな1冊。それぞれの見開きに動物といっしょにこのオンナノコが登場します。A bird can fly, so can I.. A cow can moo, I can too.. それぞれ言葉が韻を踏んでいて、よおく見るとオンナノコの服やスタイルが、いっしょにいる動物風になってます。でもぐちゃぐちゃ説明するより、このかわいさは一見に如かず。少し前に再版されていたのですが、ボードブックの大味なつくりが…だったのですが、今度、ふつうのゴールデンブックサイズのものが出るみたいです!げんざいアマゾンでも予約受付中。 |
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Hurry, Hurry, Mary Dear by N. M. Bodecker,illustrated by Erik Blegvad Simon & Schuster, NY 1998年 ハードカバー/235*235 「さあさ、メアリー急いだ急いだ。秋はもう終わり、冬が来る…」の言葉ではじまる絵本。毎年、この季節になると、手にとりたくなります。デンマーク生まれ、アメリカに移住て以来、たくさんの本やイラストレーションで人気を博しているボデッカーのちょっとシニカルで、ナンセンス、そして何よりも軽快な詩に、旧友の同じくデンマーク生まれ、現在はパリに住むブレグバッドが描いたものです。 それにしても冬の準備のため、黙々と働くメアリーはエライ。りんごを収穫して、ピクルスを漬けて、木を刈って、ジャムを作って、たきぎを切って…。まさに田舎の手仕事というかんじ。そしてページをめくるごとに、晩秋から、冬のはじめへ…だんだん季節の表情が変わっていきます。そのへんがとっても上手。そして、最後のオチは…。これはもう声を出して吹き出してしまいます。こちらは見てのお楽しみ! 一見、寒々としてて、淡々とした雰囲気の本なのだけど、最後の小気味いいオチで一挙に暖まってしまうという、なんか不思議な愛着の湧く本です。 |
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Over And Over by Charlotte Zolotow,pictures by Garth Williams Harper and Row,NY 1957年copyright ちいさいときって、1年のいろいろなことがあたまの中にごちゃごちゃにあって、今度はどんな季節がめぐってくるのかな、どんなことが起きるのかなあとわくわくして待っていたような気がします。そんな小さいときのキモチをそのままお話にしたのが、シャーロットゾロトウ。以前「ちいさなモミの木」を紹介しましたが、心温まるお話がお得意の人ですよね。そして絵はこちらもおなじみガースウィリアムズ。 まだ時間の観念がない、ちいさなちいさなおんなのこ。曜日も月も季節もまだまだ分かるはずがありません。ゆきだるまもハロウィンのかぼちゃもバレンタインもみんなごちゃごちゃの思い出です。そして、ある日、雪が降りました。ちいさなおんなのこは思います。「雪が降ったら、なにか楽しいことがあったはず」そしてたずねます。 「次は何があるの?」 この質問とともに、ページの中でおんなのこの1年が過ぎていきます。クリスマス、イースター、夏の休暇、感謝祭…それは、やさしい光に包まれた季節。この本を開くたびに、いつでも戻れる、ずっと続いている時間です。 |
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Judy at School by Siv Widerberg,illustrated by kaj Beckman Burke Publishing, UK 1974年 Read for Fun Series おなじみ「read for fun series」の1960年代の作品。こちらはそのUK版、1970年代のプリントのものです。(ソフトカバー) スウェーデンのウィダーベルグとのカイ・ベックマンのコンビはリンドグレンとビヨーンベルイのコンビのようなベストマッチング。それぞれニルス・ホルゲッソン賞、ベスコフ賞を受賞しています。 カイベックマンはアンデルセンものでも有名ですが、石や布、自然の素材を使ったコラージュによる不思議な質感と洗練された色合い、小鳥(ベックマンは小鳥好き)や、くまさん、ちびっこたちの様子など、見れば見るほどかわいい発見がいっぱいあって、ついつい、血中オンナノコ濃度があがってしまうのでちゅうい。 お話はすみません、ほんとはクリスマス時期に追加するべきだったのですが…、クリスマスまでのジュディの1週間をえがいてます。おにんぎょうで遊んだり、野原でベリー摘みしたり、ともだちの誕生日をおいわいしたり、風邪ひいちゃったり…けっこう忙しい1週間だこと。 |
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petite abeille s'ennuie text by Tamara Danblon,illustrated by Pili Mandelbaum DUPUIS, 1969年 235*195 タマラダンブロンが書いたプチアベイユ(ちびみつばち)ってあだなのオンナノコが主人公のちびっこ教育絵本シリーズ。といっても、日本の教育絵本とはかなり違うイメージです。教育っていうより、、1人の人間としての生き方指南って言ったほうがいい感じ。テーマ出しなんかを見てみるとお分かりだと思うのですが、例えばシリーズいちばん初めのこの本では、「最後まで続けることの大切さ」を扱っています。ほか「責任感をまなぶ」、「独創性のたいせつさ」といったテーマもあります。フランスでは、けっこうこういう感じの教育心理学的アプローチの教育絵本が多いです。まあ1960年代ってこともあるかもしれないですが、やはりお国柄に負うところが大きいのでしょう。…といっても、もちろん、お話はとっても楽しくてぜんぜん説教くさくないところがいいです。こんな感じ…。 今日はお休みのプチアベイユ、お人形にごはんを食べさせて、でもおかたづけはしてないみたいです。そのあとも、本を読んでみたり、絵を描いてみたり…。でもなんとなく全部途中でたいくつになって、ほうりだしてあります。それをみかねたママ、アベイユのかわいい服を作っている布の切れはしをくれて、「これでお人形の服を作ってみたら?」といいます。さっそく、お気に入りの人形をもってきたアベイユ。でもしばらくするとあくびがでてきて…。そんなアベイユをみて、ママが「なんでも途中でやめてしまう女の子」のお話をしてくれます…。 イラストは現在も活躍ちゅうのベルギー出身のピリマンデルバウム。もともとコラージュがお得意な人で、毛糸やファブリック、紙などの素材を自在に使ってかわいい絵に仕上げます。わかりにくいかもなのですが、このアベイユの髪の毛も毛糸、60年代のファブリックやパターンもあちこちに使われていて、こりゃたまらんかわいさです。 |
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Cendrillon Petie Livre D'atgent editions des deux coqs d'or 1981年 story by C. Perrault, addapted by M.Le.Gwen, Images de R.Sgrilli A5変型 LGB(little golden book)ソフトカバーのlittle silver bookのフランス版。サンドリオンは、御存じの通り、シンデレラのこと。ペロー童話ですから、サンドリオンのほうがオリジナルのタイトルですね。この版は、もともとはボローニャのカーサエディトリーチェで出版されていたものです。 サンドリオンの清楚な感じとか、魔法の星キラキラ具合とかが個人的にかなり好みです。みすぼらしい時の服装もカワイイ。 |
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小さい魔女 オトフリート・プロイスラー作/大塚 勇三 訳 学研新しい世界の童話シリーズ 1982年62刷 菊判 これは小さいときワクワクしながら読んだやつだーという人も多数いるのではないかと思います。「小さいおばけ」とか「大どろぼうホッツェンプロッツ」などドイツ児童文学の名作を数々生み出しているプロイスラー。オンナノコならやっぱり、この小さい魔女が、いちばんのお気に入りのはずです。あとこの本、装幀と、イラストがむちゃくちゃかわいいんですよね。そのへんもみどころです。 小さい魔女は、百二十七歳の新米魔女。年老いた先輩魔女たちにいじめられるのだけど、決して負けないどころか、いたずらっぽい機知とユーモアで、悩んでいる人々を助けてあげます。勧善懲悪ものなんだけど、水戸黄門とかどらえもんと違うのは、魔女自身が弱いヒロインであること。でもいつもあっとおどろく意外な方法で、お悩みを解決してくれて、読んだあとものすごくすかっとするのがいい。悩み多き乙女たちに、お守りがわりの1冊です。 |
ドレスアップして。 探検におでかけ。 |
holly hobbie's Happy Day Book by Holly Hobbie American Greetings 1978年 1960年代後半、グリーティングカードのデザイナーとして登場して以来、爆発的人気で、絵本や人形やグッズなどもたくさん発売されたホリーホビー。わたしもファイルをもっていた記憶が。彼女が描くのは、郷愁をさそうアメリカの少女たち。ドレスアップして、木の実をつんで、雨がふって、ブランコにのって、刺繍して…。シアワセな1日のさまざまなかたちが彼女独特の抑えた色調のなかに展開していきます。 |
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holly hobbie's Through the Year Book illustrated by Holly Hobbie children press,Chicago 1978年 60年代後半、グリーティングカードのデザイナーとして登場して以来、爆発的人気で、絵本や人形やグッズなどもたくさん発売されたホリーホビー。彼女が描くのは、郷愁をさそうアメリカの少女たち。 こちらは彼女が四季ごとに出していた絵本を1冊のハードカバーにまとめたもの。1月から12月まで、春から冬まで、お人形のようなオンナノコたちの四季が過ぎていきます。ゆっくりゆっくりページをめくってみてくださいな。 |
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Katie Morag's Island Stories the Bodley Head,London 1995年 by Mairi Hedderwick 205*270 イギリスのちびっこたちの間で大人気のカティーという女の子のシリーズ。カティーが住むのはスコットランドの架空の島、ストュレイ島。エジンバラ美術学校に学んだヘダーウィック自身が、かつて住んだコール島をイメージさせる風光明媚な島です。カティーをとりまく人々たちもとっても魅力的。げんきな郵便局長のママと食料品屋のパパ、そして島の裏側に住みトラクターをぶっとばす男気(?)あふれるかっこいい島のおばあちゃん。メインランドから遊びに来るおしゃれで美人のおばあちゃん。人情あふれるストゥレイ島の人々…。そしてなんといっても開放感あふれる淡水彩の絵!細かいところの描きこみの芸もすごいです。この本は4話のオムニバス構成、お話としてもかなりボリュームある本なのですが、話の展開もさることながら、すべての見開きいっぱいに絵が広がっていて、ページをめくっていると、まるで1冊のスケッチブックを見ているような楽しさが味わえます。 収録されたお話はいずれも未翻訳。「カティーの郵便配達」(忙しいお母さんにかわって郵便配達にでかけるも、川に郵便を落としてしまうカティー)、「カティーと2人のおばあちゃん」(島のお祭りにメインランドのおばあちゃんが登場。ひつじ品評会で思わぬ活躍)、「カティーとくたびれテッド」(赤ちゃんが生まれてみんなに相手にされずさびしいカティーは怒りにまかせてたいせつなテディベア、テッドを海に捨ててしまいます。テッドの運命やいかに)、「カティーとビッグベイのいとこたち」(キャンプでやってきたいとこたちと大暴れのカティー。バーベキューがうまそうです) 元気で、ときどきブチ切れして、でもじつはやさしい子のカティーはとてもリアルで感情移入できる女の子。イギリス版ロッタって感じ?男まさりなママやおばあちゃんなどもキャラ立ちしていて、こうした人々が織りなすストゥレイ島の人間模様も楽しいシリーズです。映像化もありうると思う…。ていうか希望。 |
裏表紙のシリーズ紹介もかわいい。 中身をのぞく |
The more the merrier by Floremce Michelson/ illustrated by Anna Marie Magagna A WHITMAN Tell-A-TALE BOOK 1964年 表紙少々ヤケ A5縦変型 ゴールデンブックスより一回り小さな絵本シリーズだったTell-a-tale bookの中から。文庫本より横が少し大きい程度のこのかわいいポケット絵本がでたのは1945年から1984年まででした。 おばあちゃんちにきたスーザンはひとりぼっち。外にでたスーザンは、いろんな動物たちに会います。どの動物たちも口をそろえて言うのは「THE MORE THE MERRIER!」(たくさんいればいるほど楽しい)どの動物にも「忙しい」といって遊んでもらえなかったスーザンが、最後に出会ったものは…。 動物たちと小さなオンナノコのかわいいイラストは、飾っておくだけでもしあわせ気分になれそう。 |
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指輪の猫 熊井明子文/宇野亜喜良絵 サンリオ 1979年初版カバ帯 猫目模様の指輪というのはあるけれど、これは指輪の中にいた猫に魅入られたオンナノコのお話です。偶然通りかかった裏通りの西洋骨董店に、ちいさな陶器の犬や古絵葉書などに混じってその紫水晶の指輪がありました。やさしい骨董店ノアの店主にその指輪をもらった日から、孤独だったオンナノコは不思議な縁に導かれていきます。指輪の中には魔法の猫がいたのです…。 猫好きで有名な熊井氏が飼っていたマイマイという赤トラ猫を失ったとき、その悲しさをなぐさめるために書きはじめた物語だそうです。マイマイへの思いにあふれたあとがき、けっこう泣けます。そしてそのキモチをくみとるかのような宇野氏の挿し絵がすばらしくて、こちらの方が本の中に入りこみたくなってしまうほど。特に骨董店ノアのたたずまい…もしこういう場所があったら、わたしも間違いなく通ってしまいそうです。絶版。 |