「毛皮の人」が恋しい季節だから。
くるっとまわって猫の目の高さで、 おヒゲの触覚で書かれた本。
人は何故、猫のことになると、こうも雄弁になるのでしょう。
「毛皮の人」が恋しくなるこの季節、猫のキモチがわかる人、猫のキモチを分かりたい人のために
Twinkle Booksセレクトの猫の本たち。

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ねこねここねこ
ブルーノ・ホルスト・ブルぶん/ヤーヌシ・グラビアンスキーえ
まえかわやすおやく
偕成社 1986年43刷カバー
A4変型

ネコの絵といえば、やはりグラビアンスキー。ただ見てかわいいっていう感覚じゃなくて、動物としてのネコの魅力、ネコの「野生」を描ける人です。ポーランドの代表的な画家で、切手の絵でも有名。東欧テイスト+墨絵をも彷彿とさせるタッチでダイナミックに描かれたネコたち。「さんぽ」、「かがみ」、「きれいきれい」、「おこりんぼ」、「こねことことり」、「おふろなんかきらい」、「とんとろん」。ネコといっしょに暮らしたことのあるあなたなら、うなずきまくりのテーマと文ともに描かれるネコ人生、じゃなかったネコ生。



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GINGER
by Charlotte Voake
Walker Books,London 1997年
205*155 ハードカバー版
「でんしゃがくるよ」でもおなじみロンドンのシャーロットヴォークのねこ絵本。だいすきなかごでぬくぬくしていたねこのジンジャーに新しいともだちがやってきます。しかしこの友達のこねこが気にいらず、家出してしまうジンジャー…。甘えてくるこねこの様子がとてもかわいく、そしてそれをもてあましてるジンジャーの姿も笑える。複数のねこを飼ったことがある人ならおなじみの体験ですよね。邦訳版は「はじめましてねこのジンジャー」です。



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ニューヨーク猫画帖
画と文/前田マリ
飛島新社 1996年初版カバー
A5変型

猫好き、ジャズ好きなら、一度はぱったり出会ってるはずの前田マリの力強いタッチ。いつもぐーんと至近距離、猫と同じ目線の高さで描く彼女の画帖の中の猫たちはどれも魅力的。マリさんの旅に地図もガイドブックもなし。グリニッジにソーホー、リトルイタリーなどのグロッサリー、レストラン、ビタミンショップ、本屋、花屋、ギターショップにフルーツショップ、街のあちこちにあらわれる猫たちが案内役の神出鬼没旅エッセイ。この後にでた「とら吉の東京散歩」とともに、猫とジャズと路地が好きなアナタにきょうれつにおすすめの1冊です。定価税込み2000円。




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シモンとクリスマスねこ
クリスマスまでの24のおはなし
レギーネ・シントラー文/ジータ・ユッカー絵/下田尾治郎訳
福音館書店 1994年2刷
B5変型
スイスの児童文学者シントラーと同じくスイスのデザイナーユッカーの作品です。
クリスマスを待ちきれないシモン。みかねたパパが飼いねこのフローラにそっくりなねこの絵をかいて、そのしっぽに24本の線を描きました。それを1つずつ塗りつぶしながら、シモンは1日に1つずつ、ぜんぶで24のクリスマスのお話を聞くことになります。いわば、アドベントカレンダーならぬアドベントベッドタイムストーリーですね。
クリスマスまでいっしょうけんめい家族の靴をみがく小さな白い犬の話、はちみつケーキや星のかたちのクッキーをたべてしまうネズミのお話、女優になりたいねこの話、クリスマスの街の飾りつけで目立てないとふくれるお月さま、雪だるまのスタニスラスの詩、…パパやママが語るお話だけでなく、シモン自身も窓ガラスの雪の結晶とお話して、雪の女王とあいさつしたり…。
ところで、この本、わたしがオトナになってからちびっこ本に興味をもつきっかけになった本です。ふんわりこころ温まるホットココアのような24のお話は、いつでもしあわせな時に戻れる、クリスマスのお守りのような気がします。シモンがおばあちゃんにもらった琥珀の石のように。



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こねこのおひげちゃん
マルシャーク文/レーベデフ絵/うちだりさこ訳
岩波こどもの本 1996年第3刷
207*164
以前紹介した「しずかなおはなし」をはじめ1920年代から1930年代にかけて、チェコフスキーらとともに、大胆で新鮮な絵本を精力的に作りだし、ソビエトのみならず、世界のちびっこ本界に大きな影響をあたえたマルシャーク・レーベデフコンビ。女の子と灰色のしまもようのおひげちゃん--かわいい小猫のお話です。お菓子のように甘い言葉にあわせたかのようなクリーム色の紙に描かれたふわふわこねこと女の子はいつも一緒です。
タイトルには入ってませんが、この本ももう1話収録。こちらはまったく雰囲気がかわってその名も「しゅりょう」。エスキモーとおっとせいやあざらし、ロシアの猟師とくまとこぐま、野生の馬とインディアンなどなど…自然の中の動物と人間の姿がシンボリックに描かれています。



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あおい目のこねこ
エゴン・マチーセン作/瀬田貞二訳
福音館書店
A5
青い目の元気なシャムねこが、ねずみの国を探しにでかけるというお話。おさかなに出会う「1のまき」から、ついにねずみの国をみつけて、仲間のねこたちをよびにいく「7のまき」まで、ポンポンと、リズミカルに展開していくお話が楽しいです。そしてはえをつかまえたり、耳のうしろをごしごしこすってみたり、おおきなサングラスをかけてみたり、いぬのせなかにのったり…どのこねこのしぐさもかわいすぎ!エゴン・マチーセンはデンマークの代表的絵本作歌、ほかにもおさるやオウムなど動物を主人公とした作品などでデンマーク政府の絵本賞を受賞しています。



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黒ねこミケシュのぼうけん
ヨゼフ・ラダ作/小野田澄子訳
岩波書店1991年9刷函有
名前3ケ所書き込み有
A5

チェコの代表的画家で、トルンカ作品の美術も担当したヨゼフラダ。その作品は、おとぎ話、風刺画、風景、博物誌など幅広いものがありますが、ボヘミアの農村の出身だけあって、チェコの田舎、フォークロアを描かせたらこの人の右にでる人はいないのでは。以前、ABCの本やチェコのわらべうたを紹介しましたが、このミケシュのお話はラダがはじめて世の中に出したちびっこ本で、まさにラダらしい、牧歌的な風景と、素朴な動物たち、人間たちが登場するのびのびしたお話です。
ミケシュはとてもじょうずにおしゃべりする猫、人間たちといっしょに仲良くくらしてます。このミケシュに放し飼いのヤギのボベシュやブタのパシークなどが加わって、おまつりにいったり、ナシどろぼうをしたり、学校にいってみたり、クリスマスのおいわいをしたり、どんなときでもあくまでもマイペースなミケシュたちのたのしいぼうけんをお楽しみあれ。版元品切重版未定。


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猫のヤーコプの恋
トーマン・ヘルトナー作/スヴェン・ハルトマン絵/犬養智子訳
エイプリル出版(企画制作CBSソニー)1978年初版カバー
285*235

スイス生まれで世界に愛されて育ち、今ではぬいぐるみもあるくらい人気のヤーコプシリーズ、三部作の最後の1冊です。飼い主である「あいつ」のところにやってきて、「あいつ」を教育し、しあわせに暮らしてきたヤーコプがいままで味わったことのなかったこわさやつらさを体験してオトナになるお話です。それにしてもかわいいヤーコプ。しぐさや表情のひとつひとつが、まさに猫好き仕様と申しますか、ツボついてます。絶版。



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ガルドンの
ながぐつをはいたねこ
ポール・ガルドン作/絵/てらおかじゅん訳
ほるぷ出版 1979年4刷
A4変型
以前ねずみのアナトールのシリーズをご紹介したポールガルドン。ハンガリーに生まれ、1986年に亡くなるまで、グリムやペロー、ロシアなど昔話の作品を多く残した人ですが、これはその中の1つ、「Puss in boots」の再話、挿画を担当した作品。動物好きでも有名だっただけあって、ねこの表情はお手のもの。この自信満々な感じ。いかにもです。捕まえられそうになったうさぎを木の影から見てる仲間のうさぎたちの表情もおかしいです。そしてネコ模様カーテンからプス(主人公のねこネーム)が顔をのぞかせてるトビラには、アナトールもどきのねずみも出演ちゅう。かわいすぎ。


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郵便局員ねこ
ゲイル・E・ヘイリー・さく/あしのあき・やく
ほるぷ出版 1980年2刷
210*258

ケイトグリーナウェイ賞受賞作。ねこが郵便局員?と思うのですが、これはなんと1800年代のイギリスの実話。郵便物をあらしていたねずみ対策として、ねこが働いていたお話を絵本にしたものです。ねこの役職は、その名も「H.M.P.O.C」(女王陛下直属郵便局員ねこ、たぶんher majesty's post office catの略だと…)、週給6ペンス(ただしその分のミルク)で雇われていたそうです。
このお話ではクレアというねこが就職活動をして、さまざまなイギリスの街を転々とし、ようやくその天職を見つけるまでのストーリーとして描かれています。1800年代のイギリスの様子もヘイリー独自のタッチで楽しめる美しい絵本です。版元品切重版未定。



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猫と悪魔
ジェイムズ・ジョイス作/丸谷才一訳/ジェラルド・ローズ画
小学館 1976年初版
A4
かのジョイスが、孫のスティーブンに向けて書いた唯一の童話がこの「猫と悪魔」。民間伝承によくありそうな悪魔だましのお話のジョイスヴァージョンって感じですが、これが巻末の大澤正佳氏の解説を読むと、また別の色彩を帯びはじめるのです。が、それは読後のお楽しみということにして…。もう1つの大きなとくちょうが、この翻訳が歴史的仮名づかいの人、丸谷氏であるということ。もちろんちびっこ本だからといって容赦はなし(?)というか、むしろ積極的に以下の3つのことを主張して文部省国語政策にまっこうから挑戦しておられます。
1歴史的仮名づかひを採用してゐる
2漢字をちつとも遠慮しないで使ふ
3分ち書きをおこなはない
この「趣向」がジョイスの一筋縄ではいかないお話に、これまたいいスパイスになっていて、痛快な絵本に仕上がりました。そしてさらに特筆すべきはジェラルド・ローズの絵。この大胆に描かれたねこといい、この陣内孝則?もしくはサリーのパパ?(しかしほんとはもっと似てる人がいるんですが。ダブリン訛りのあの人ですよ)みたいな悪魔といい、なんともビビッド。猫好きジョイスもこれ見たらよろこぶんではないかなあ。絶版。


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Wild Cat
story by Sherry De Volld Ball, illustrated by Roy Hansen
The Earle Press,1951年
A4変型
作者のシェリー自身が飼っていたネコ、アンバーをモデルにしたというお話。ひとりぼっちでさびしがっていたジルがある日、大きなのら猫に出会います。はじめは家で飼うことを反対していたママもOKしてくれて、アンバーという名前まで考えてくれました。学校のバスを迎えにきてくれたり、キャットショウでリボンをとったり…ジルとアンバーの楽しい生活が続きます。でもある日、悲しい別れがやってきます。ペットの出会いとお別れそして、それを乗り越えるジルのすがたが描かれた1950年代のアメリカの名作です。またひとつ間違うと、深刻になりすぎてしまうお話をユーモラスにかわいく描いているロイハンセン。古き良きアメリカをほうふつとさせる人々や、背景がいいかんじ。


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Puss in Boots
Brother Grimm, designed by Gisela and Peter Nitsche
Teldon,1972年
A4変・16ページ
グリム兄弟の「長靴をはいた猫」の毛糸&ファブリックを中心にしたコラージュ作品。ろばや、にわとりなどの動物たち、きのこやお花など、どのページもカラフルでかわいいですが、なんといってもこの主人公のねこのモコモコ感と豊かな表情は必見。ふつうのねこから変身するときの顔、カバラ公爵にあいさつするときの上目づかいの顔、はったりをいうときの顔、どれもいきいきとしてかわいいです。


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Annie's ABC Kitten
an alphabetical story about Annie and her pet
by Charlotte Steiner
Alfred A. Knopf, 1965年ハードカバー
260*205
いぜん「A friend is Amie」という英仏対訳の本や、ワンダーブックのイースターうさぎ本、マザーグースのクロスブックなどをご紹介した、シャーロットスタイナー再登場です。チェコ生まれで、1940年代から活躍した人ですが、個人的にいちばん好きな作品が多いのが1960年代。この「アニーのABCねこ」もむちゃくちゃかわいいです。あいかわらずサインペンと色鉛筆でさらさらっと描いたかんじなのに、このかわいさはいったい何なのでしょう。お話もスタイナーが担当。単語が各ページに1つずつ、ABC順に登場していて、その下にその単語を使ったかんたんな文章が載ってます。この文章をぜんぶ読むとひとつのストーリーになっているという、ちょっとしたしかけのABCブックです。ある日、玄関のドアのところにいたこねこをアニーはペットにします。いたずらこねことアニーの楽しいお話です。


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Dick Whittington and his Cat
Wonder Book 1958年
by Oscar Weigle, Pictures by Dellwyn Cunningham
A5変型
イギリスのエドワーディアンのフォークテイル、ディックウィッティントンの物語を、デルウィンカニンガムが描いたものです。お話の中ででてくる「Turn again, Whittington, Thrice Lord Mayor of London!」という言葉は、決まり文句になっているほどの定番のお話です。当時の衣装や、町並み、バックのパターンや美しいモチーフなど、お芝居を見てるような楽しさがあります。
お話はまずしいディック・ウィッティントンが、ロンドンに単身やってきて、コックの助手になるのですが、部屋のねずみに悩まされます。そのねずみ退治のために飼っていた猫が、最後にウィティントンを大金持ちにする話。一度、すべてをあきらめて逃げようとしたウィティントンの耳に教会の鐘の音が。それが上の言葉に聞こえたというお話です。なにかうまくいかなくてがっかりしてる人に、上の言葉をかけてあげてください。ちなみに歴代ロンドン市長にディックウィッテイントンなる人物は実在してるとか。ただし、ねことは特に関係ないみたいですが…。


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指輪の猫
熊井明子文/宇野亜喜良絵
サンリオ 1979年初版カバ帯
180*155

猫目模様の指輪というのはあるけれど、これは指輪の中にいた猫に魅入られたオンナノコのお話です。偶然通りかかった裏通りの西洋骨董店に、ちいさな陶器の犬や古絵葉書などに混じってその紫水晶の指輪がありました。やさしい骨董店ノアの店主にその指輪をもらった日から、孤独だったオンナノコは不思議な縁に導かれていきます。指輪の中には魔法の猫がいたのです…。
猫好きで有名な熊井氏が飼っていたマイマイという赤トラ猫を失ったとき、その悲しさをなぐさめるために書きはじめた物語だそうです。マイマイへの思いにあふれたあとがき、けっこう泣けます。そしてそのキモチをくみとるかのような宇野氏の挿し絵がすばらしくて、こちらの方が本の中に入りこみたくなってしまうほど。特に骨董店ノアのたたずまい…もしこういう場所があったら、わたしも間違いなく通ってしまいそうです。絶版。



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長靴をはいた猫
シャルル・ペロー/澁澤龍彦訳/挿画片山健
大和書房 1978年7刷カバー
A5変

猫本とくしゅうとなれば、この本を出さずしてどうする、といった感じですよね。フランス童話といえば、まず最初にあげられるペロー童話の、おなじみ長靴をはいた猫から、赤頭巾ちゃん、サンドリヨンなどを、澁澤訳で楽しめる本です。ペローの説話的な文体を損なうことなく、澁澤ロマンの味わいがが加わってなかなかいい食い合わせだと思います。もともとはこの本、初出はアンアンの連載で、堀内誠一氏のすすめで実現した企画でした。連載当時、片山健氏の眼帯をしたふてぶてしい片目猫(「タンゲくん」をほうふつとさせますがタッチ、芸風は違います)が気に入った澁澤氏が全体の挿し絵の依頼をしたということです。この版は絶版。



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のら猫トラトラ
鴨居羊子
人文書院 昭和53年初版
A5変

「私はケモノが好きで、できたらライオンや狼などと生活したいのが希望だが、人間の世では、犬や猫としか友達になれなかった」下着デザイナー、エッセイスト、画家の鴨居羊子のエッセイ代表作。猫というケモノの野生を、日なたくさい藁の香りを愛した彼女の、下町のノラ猫たちとの恋愛の記録です。彼女が新聞社に通いながらひとりだちを求めていた頃、表題のトラトラをはじめ、小町娘のようなタマ、靴屋のミーや、ジャイアンのようなこわもてのボスなど、猫たちを中古のライカのファインダーにおさめながら、一匹一匹に語り続けます。そして二十年後、もはや猫たちがいない路地にひとり戻ってきた彼女の後日談でお話は締めくくられます。彼女の幾多の作品の例にもれず、心というより、本能の部分をゆさぶり、身体の中から力がわいてくる良質のエッセイです。絶版。


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猫の紳士の物語
メイ・サートン/武田尚子
みすず書房 1996年初版カバ上部ヤケ
A5変

「独り居の日記」でおなじみ、めざすべき孤高のおばあちゃんでもあるメイサートンは無類の猫好きでも知られていました。これは彼女が飼っていたトム・ジョーンズなる猫の実話から生まれた物語。ちなみに前書きでサートンは、このトムジョーンズが一時期、あのナボコフの下宿猫となったエピソードを披露しています。(しかもロリータが創作されていた年だとか)
原題「FURRY PERSON」…まさに「毛皮の人」。トラトラが野生の猫たちのお話なら、こちらは野生から、人に飼われることになった猫の物語。決して猫のプライドと、自由を奪うことのない真実の友、良きハウスキーパーと運命的な出会いをしたとき、猫は誇り高き「毛皮の人」となるのです。おそるべき猫への観察力と愛をもって描かれたユーモラスでほろ苦い物語、まさに猫のキモチが分かりたい人のためのバイブルともいえるかもしれません。イラストレーションは日本版だけのためにベンジャミンレヴィが描き下ろしたもの。