-ちびっこくいしんぼうばんざい-
(がいこく編)

白いホイップ、赤いチェリー、
ほかほかスープに、おべんとう。
カスタード、チョコレートファッジ、
ベリーアイス。
浮き世のむずかしいことは、さておいて
本日は、お日柄もよく、
身もよじれるほど、しあわせな
おいしい世界の王様になるのさ。


[注*こちらの本はすべてソールドアウトになっております]




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Fun to Cook book
140*205/50ページ

主人公のオンナノコの手紙(本の意図がさりげなくおりこまれています)からはじまるこの本、カーネーションミルクが販促用で作ったちびっこ向け料理本です。とくしゅうの「ちびっこ料理本」の回に、拝借させてもらったイラストはこの本のもの。とにかくイラストがかわいいのなんの。はじめはかんたんな飲み物、スープなどからはじまって、ママがいない日の夕食、ピクニック、お誕生日のパーティー、デザートなどを覚えていきます。見開きの「デザートランドの夢を見た」のページで、アイスクリームやパイ、ブラウニーなどに囲まれてお空に浮かんでいるオンナノコのシアワセそうなこと。うーん、わかるわー。






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The Play & Cook Book
by Marguerite Patten/Pictures by Jenny Williams
William Collins Sons 1973年first ed.
270*200

イギリス人なら知らない人はいない料理のせんせい、マルゲリートパッテンのちびっこ料理絵本です。表紙のcookieな書体からみてもわかるようにラブアンドピースな絵本で、でてくる子たちの服とかアイテムとか、これはまるごと70年代。さりげにインディアンの帽子かぶってたり、遊んでるところにマトリョーシカがおかれてたり、ジャニスな扮装をしてたり。で、公園でまったりしてたり、木の下でアイスクリームパーラーをひらいて、くまのぬいぐるみにごちそうしたりと、ほのぼのなふんいきもあって。見開きごとにお話と、料理が展開していきますが、これがちびっこならみんな大喜びしそうなオヤツばかり。ぱらぱらめくってるだけで、まんぷくのしあわせ気分になれる本です。ハードカバー50ページ。




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BetterHomes JUNIOR COOK BOOK
for the Hostess & Host tomorrow
Better Homes and Gardens Books 1963年
260*185

料理といえば、ベターホームズ、の1960年代のふんいきあふれるちびっこ料理本です。明日のパーティーの主人のために、という副題の通り、パーティー関連のレシピが、いかにも60年代タッチの写真、イラストとともに紹介されています。ちょっとしたフォントの飾りとかレイアウトもかわいい。サーカスタイムレモネードに、フリップフロップパンケーキ、チョコレートペパーミントデリシャスとか、ちびっこ心をくすぐりまくるネーミングのレシピの数々をお楽しみあれ。ハードカバー、80ページ




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The Young French Chef-a first cookbook
Denise Perret and Mary Eckley, Illustrated by Catherine Cambier
Platt & Munk New York 1969
215*240

1965年、フランスのロワジールジュンヌ賞受賞、ちびっこ本の最高峰に選ばれた本です。そのあと、英語に翻訳され、たくさんのアメリカの女の子たちにフランス料理の楽しみを伝えました。当時雑誌などで活躍していたキャンビエのイラストも、とにかくかわいくて(上のタイトルのイラストもこの本から)、中身もすばらしい、ちびっこ料理本の名作です。料理用具のページからはじまって、お料理は、スープこと「les potages」から、オードブル、肉、たまご魚、野菜、ソース、デザート、飲み物、サンドイッチ、巻末の料理用語事典まで。大人の料理本なみの本格さは、ちびっこ本といえど、やはりフレンチシェフならではのこだわりを感じます。いちばん最初のページの、「料理の愉しみ」という文章をここに少し引用。「料理は、たぶん他のどんな芸術より、自分の個性とテイストを表現できる手段といえます。自分がどんなたべものを作るのか、メニューの選択、スパイス、もりつけ、ディナーのテーブルセッティングにいたるまで、それがあなた自身の表現であるといえます。そして、それこそが料理の愉しみだと思うのです」




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My learn to cook book
Ursula Sedgwick, Illustrated by Martin Mayhew
Golden Press 1967
320*235

この2ひきの犬ネコがあちこちに登場するセドウィックの料理本は、材料別にレシピを紹介、動物型クラッカーや、アイスクリームガトー、ペパーミントクリームなど、どちらかというとオヤツ中心で、ちびっこがとびあがってよろこびそうなメニューがめじろ押しです。イラストは、ミッシェルオリバーのイギリス人版という印象。作り方にヘタウマなイラスト、でも出来上がり図は妙にリアルに書いてあるところなんかが似てます。でも全体のテイスト的には、やっぱり60年代イギリスな感じで、これまた違ったかわいさが。




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Holly Hobbie's Cookbook
American greetings corp. 1979
280*210

わたしたちの世代には懐かしキャラクターホリーホビーの料理本。彼女自身、料理好きだっただけあって、お得意のイラストもそうですが、料理写真がかなりおいしそうです。しかもデザ−ト、オヤツ系がじゅうじつしているとあっては放っておけません。いかにもカロリー高そうなんだけど、こういうデザートこそ、やっぱりデザートの王道だろう、って感じで眺めてるだけでシアワセ満腹。こうしたデザートは、ここのところアメリカでもレトロデザートとして再注目されてて、やっぱりカロリーオフばかりじゃ、つまらんですものね。たまにはね。




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Julie Eisenhower's Cookbook for Children
illustrated by Don Moldroski
Curtis Publishing Company 1975
290*230

こちらはあのニクソン大統領の愛娘であり、サタデーイブニングポストの編集員でもあったジュリーアイゼンハワーのちびっこ料理本です。「おはようブレックファスト」からサラダ、スープ、サンドイッチ…とこちらも料理本にはおなじみのラインナップ。章ごとに色がわかれていて、各章はその一色のみで表現されているのですが、この色選びがとてもかわいいです。あと、特筆すべきは、最後の章の「有名なお友達の料理」。ジュリー人脈なんでしょうか、当時のテレビや映画の人気者にちなんだレシピの数々がたのしい。ビッグバードのハニーバナナ、シナトラの女王さまのケーキ、トラップ一家のカイザーシュマーレンなど。




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Betty Crocker's Cook Book for Boys and Girls
Illustrated by Gloria Karmen
Golden Press NY 1957
200*155
バインダー綴じ

ベティークロッカーせんせいの赤い表紙の料理本といえば、1950年代のアメリカには、1家に1冊のイキオイであったはず。その御大のちびっこ料理本であります。イラストといい、写真といい、色づかいといい、印刷の具合といい…ちいさいときにこんな本があったら、わたしももっと料理上手になったに違いないと確信する本です。12人のちびっこたちがレシピのテイスターとして参加(うらやましい)、もちろんちびっこ心をくすぐるレシピも満載-イースター帽子のケーキ、ファニーバニーケーキ、チョコレートファッジミルクシェイク、ラガディーアンのサラダなどなど。




コクトーのおコトバ。
この天衣無縫なおえかきレイアウト






LA CUISINE EST UN JEU d'enfants
First Random House edition 1965年
by Michel Oliver
English translation by Charlotte Turgeon
325*258


スローガンで、バーキンが読んでたアレです。んでもってあのコクトーがイントロダクション書いてるアレです。Michel oliverは、ちびっこ向け料理本としては、これとお菓子もの、もう1冊料理ものを出してますが、やはり、これが基本でしょう。んで、これはアメリカのランダムハウスのバージョンのため、なんとフランス語のカラーの原文のままのページに1色の英語の対訳のページがついた1冊で2冊分楽しめるおトク本。しかも英語は、めちゃくちゃ簡単。さあ、オニオンスープからデザートまで、フレンチの基本をちびっこ気分でおべんきょうしましょう。しかしこの人、絵がうまいんだか、下手なんだかよくわかりません。しかし、ページを縦横無尽に使う天衣無縫なレイアウトと、色づかいはさすがフランス人というかんじ。なんていうか、束縛されてるものがないよなあという感じ。それからはじめのページにプレゼントした人の書き込みがあるのですが、これがまた赤いペンでの仏文と、黒のペンの英文の対訳ヴァージョンになってて、なんとおしゃれな人のプレゼントだったのでしょう、と感心してしまいました。ハードカバー、160ページくらいの重い本です。
ちなみに蛇足ではありますが、コクトーのコトバの拙訳をのせときましょう。
「こどもと詩人はきかん坊だ。いたずらなきかん坊よ、つめを噛んでるきかん坊よ、ミッシェルが描いたすてきな料理を食べてみたまえ。このコクトー爺の、おすすめだよ」




りんごのビスキュイ
トビラのたのしいイラスト
LA PATISSERIE EST UN JEU d'enfants
PLON 1966年
by Michel Oliver
330*260

同じくオリバー氏の料理本、こちらはお菓子の本です。あいかわらずの味のあるイラスト炸裂。こののぞいてるコックさんが目印ですね。見てるだけでもカラフルでかわいいレシピ、それもお菓子版ときたら、ちびっこゴコロもくすぐられまくりです。




まさにミッドセンチュリー
Cookbook for YOUNG MODERNS
Recipes by Mary Lee taylor
Pet Milk Co.,1957年
185*130

上の本の重量感とは
うってかわって、これはPETというインスタントミルクの会社が出した販促用の小さなブックレット。しかしちいさな本とあなどるなかれ、飲み物、パン、ケーキ、デザートにトッピング、メインディッシュ、パイにサラダまで。そしてなんといっても50'sチック、というかまさに本物ミッドセンチュリーなイラストと、写真が楽しめます。この頃の印刷ってなんでこう、味があるのでしょうねえ。16ページ。




写真も60's
イラストも60's
もくじ
こんな感じでお部屋に
The Well-Dressed Dessert
by General Foods Corp 1969年
バインダー+スタンド式
240*190

このピーターマックスライクなイラストレーション+ロゴ。ゼネラルフーズ社から出ていたbird's eyeブランドのcool whipというホイップクリームの販促用のもの。写真も、イラストもおサイケ60'Sのフィルターを通した楽しいたのしいデザートの本に仕上がってます。ホイップクリームで飾ることを、ヒップなドレスアップにひっかけてるタイトルの遊びも。各コーナータイトルも、訳すと「トッピングのクールな楽しみ」、「ファミリーで」、「休日のためのデザートのドレスアップ」、「デイジーを食べてよ」、「ビューティフルなビバレージ」、「グラマラスデザート」と、時代がでてますよね。そしてうれしいのが、この本スタンド式になってるのです(写真参照)作ってるときも便利だし、お部屋に飾るなんてのもおすすめ。クリスマスとかバレンタインの写真もあるから、季節にあわせて飾れば、まさにwell-dressedなお部屋の完成!