-ちびっこくいしんぼう、ばんざい!(にほん編)-
ちびっこと、きってもきれないものはオヤツ。
サンボのホットケーキ、ハイジの白パン、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家、
からすのパンやさんに、チョコレート工場。
絵本の中で印象に残っているのは、食べ物のシーンばかり。(それは私だけか…)

じゃ、そんなドリーミーなオヤツを
自分で作ってみるというのは、いかがなものか。
ということで、ちびっこ料理本。
やはり人間の三大欲求に結びつくものゆえ、料理本というのは、見てるだけで幸せになるもんですが、
ちびっこ料理本はその中でもさらに、「ハッピー度」が高いと思います。
本を片手に実際に挑戦してみるのはもちろん、
まずは、食べ物のビジュアルというのは、こうも人をシンプルに幸せにするもんかと
そんな感慨にひたってページをめくるのもたのし。
絵本の中のごちそうに心おどらせた、あの頃のように。

※こちらの本は現在ソールドアウトになっております。
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ムーミンママのお料理の本
トーベ・ヤンソン文・絵/サミ・マリラ作/渡部 翠訳
講談社 1996年

御存じの通り、ムーミンママはお料理がとても上手です。「ムーミン谷の冬」でも寝ボケ状態であるにもかかわらず風邪のムーミンのためにさっとグロギを作ってあげるとこなんか‥母の鏡だなあと思いました。そんなママのレシピを謎の覆面作家サミマリラが再現、ムーミン作中のエピソード引用とともに紹介したたのしい料理本です。もちろんヤンソンさんの絵もいっぱい。ス「ナフキンの物思いのスープ」「焚き火の焼魚」「ヤンソンさんの誘惑」「往復ビンタ」など、魅惑の料理が並びます。「彗星」でママが作ったデコレーションケーキも、あの形そのままに。カンタンな料理には「大笑いミィ印」がついてるのも味なはからいです。定価1,800円





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赤毛のアンのお菓子絵本
外海君子編/ドナルド・ヘンドリックス画
主婦の友社 昭和54年

オンナノコなら、誰でも一度は通りすぎるアンの世界-大きくなってお話の大部分は頭の中からとんでいってしまっても、さくらんぼやレモンパイ、いちごのプリザーブ、果物の砂糖漬けなど、当時のオンナノコ心をくすぐったまだ見ぬお菓子のエピソードは、いまも色褪せずに残ってるんではないでしょうか。「赤毛のアン」「アンの青春」の中からカンタンなお菓子を紹介したこの本で、砂糖漬けのように甘い思い出に、時にはどっぷりとつかってみてはいかがでしょう。版元品切。




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ピーターラビットの料理絵本
アーノルド・ドブリン著/ビアトリクス・ポター絵

ピーターのおなじみ料理絵本です。ロビンソンに、サムエルやナトキンはじめ、登場人物たちが総登場するレシピは「朝ごはんとパン」「サンドイッチ」「野菜料理」「サラダ」「スープ」「デザート」と、ウサギ気分も盛り上がる章立てに、挿し絵の抜粋も多数。




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アリスの国の不思議なお料理
ジョン・フィッシャー作/開高道子訳
文化出版局

「お飲みなさい」スープに、永遠にもらえないジャム、かばん語パン、お人よしあめん棒など、テニエルの挿し絵とともに、アリスの世界にどっぷり漬けこまれた料理本です。お料理がでてくる場面からは原文の抜粋、いっぷう変わったレシピ文も必見。翻訳は開高健と牧羊子のひとつぶ種、道子氏。(翻訳では代表作になってしまいましたね…)さらにうれしいことには、キャロルの小作品も収録されています。(講義記録「精神の栄養学」、コミックタイムズ誌初出の「エチケットのためのヒント」)この最後の小作品にそえられたコメントといい、ジョン・フィッシャーの、並の料理絵本にはない原作者への偏愛っぷりがうかがえて、ああ、料理の枠に閉じ込めることはできないナンセンスよ。版元品切。




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おいしいものつくろう
岸田衿子さく/白根美代子え
福音館書店こどものとも年中向き 1994年10月

きょうのこんだて」からはじまる岸田-白根コンビのちびっこ料理本は、小川のそばに住むうさぎ家とあらいぐま家が主人公。2つの家庭の日々の食卓から、って感じで、オムレツ・フラメンコ、かじゅえんゼリーなど楽しいネーミングのお料理の作り方が歌のような調子で紹介されてます。ほかにもピクニックにいったり、野菜畑に野菜をもらいにいったり、こんなかわいいのを年中ちびっこたちだけに独占させてるわけにはいきません。




イグアナちゃん?
こどものりょうりえほん
さあお客をよんでみよう

碧海酉癸・五味恭子・松田直子/文
落合稜子・田中恒子/絵
主婦の友社 昭和52年

主婦の友社から3冊シリーズで発行されたちびっこ料理本。ちびっこがあんぜんにおりょうりするためのアドバイスなどもあり、きちんとした作りの1冊です。しかし特筆すべきは、シリーズ通してでてくるキャラクターたち。きつねやおおかみはまだしも、くじゃくとか、すかんくとか、ビーバー(たぶん)兄弟とか、はてはイグアナの子なのかなこれ。そんなちょっと毛色の違うやつらをこんなかわいいキャラクターにしてしまっているところがすごい。料理は、おやこどんぶりとか、おにぎりなんかもあって、お客をよぶわりに意外とつつましやかなところが日本ぽくて、よいではありませんか。ハードカバー、32ページ。絶版。




ちゅういすること
ピザトースト
表4-おるすばんの食卓をたのしく
こどものりょうりえほん
お母さんのいない夜

碧海酉癸・五味恭子・松田直子/文
落合稜子・田中恒子/絵
主婦の友社 昭和52年

以前、とくしゅうでご紹介した主婦の友社から3冊シリーズで発行されたちびっこ料理本から、もう1冊。こちらもかわいらしいキャラクターたち健在。きつねやおおかみはまだしも、くじゃくとか、すかんくとか、ビーバー(たぶん)兄弟とか、はてはイグアナの子なのかな。そんなちょっと毛色の違うやつらをこんなかわいいキャラクターにしてしまっているところがすごいです。
この本のテーマはお母さんのいない夜にひとりでつくれるごはん。かわいい手書き風書体のタイトルと、キャラクターたちによるわかりやすい図解とともにおるすばんちびっこがつくれるお料理12のアイデア。ミネストローネとか、ハンバーグカレーから、ちゅうかふう料理、パンプディングまで。絶版。





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こどものりょうりえほん
おべんとうをつくろう!

碧海酉癸・五味恭子・松田直子/文
落合稜子・田中恒子/絵
主婦の友社 昭和53年

ごめんなさい、前回3冊シリーズといっていたこの主婦の友社「こどものりょうりえほん」ですが、その1年後、おかしとこのおべんとうの本2冊が新たにシリーズに加わっていたことが判明いたしました。以前のシリーズより、カラフルになった感じがするのと、イラストのページも増えて、にぎやかになっています。なんか仲間も増えたような…。鳥とか、なにかわからんのもいるし…。
内容はかんたんにできるおべんとうと、ピクニック、バーベキューの料理。のちのアウトドアクッキングブームを予言しているような内容はぐうぜんなのか、必然なのか。




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お料理しましょう
飯田深雪著・川本哲夫絵
日本放送出版会

こちらもちびっこ向け料理本で初版が昭和45年。シンプルなレシピで、おいしく楽しめる料理アイデアが豊富で、なかなかこれは料理本としても使える本です。イラストがこれはもしや以前こちらでも紹介したミッシェルオリバーの絵を意識?それと、なつかし昭和系テイストをミックスしたような感じです。冒頭の「なぜ」コーナーでは、洋食で食卓にテーブルかけをかけるのは?など、作り方の基礎だけでなく、お食事の際のマナーに関する基礎知識も。






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サラ・ケイのクッキング絵本
サラ・ケイ絵 岡田冨美子詩
主婦の友社 昭和56年

もともとは広告デザイナーで、子供たちのために描いた絵が注目され、ヴァレンタイン社をはじめ、世界各地のグリーティングカードの人気者となったサラケイ。こちらは、サラの愛らしい絵とともに、サラダを中心とした素朴な料理のレシピが紹介されている料理絵本です。さくらんぼのサラダ、花のサラダ、地中海のサラダ、リエット、ニョッキ、トレーヌ風キっシュ、クリスマスの七面鳥など、サラケイの絵からそのまま飛びでてきたようなお料理の数々。あたたかなキッチンをイメージさせるテーブルセッティングもかわいいです。絶版。




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料理の絵本-ご飯とわたし
石井好子・水森亜土
女子大学栄養出版部 昭和54年

シャンソンの石井さんと亜土タンコンビの料理本です。のちに角川から文庫になりましたが、こちらはオリジナルの絵本サイズのものです。
「日本人になくてはならないものご飯、外国を旅してる時も食べたくなるのは誤御版です。」というおコトバにはじまって、おいしいご飯の炊き方、おむすび、まぜごはん、おすし、いためご飯、ライスサラダ、キャベツ巻、ライスコロッケ‥最後のシメはお茶づけと、ご飯好きならじわっとなまつばモノのライスメニュウが並んでいます。もちろん亜土タンのイラストとともに。とてもとてもたのしい料理絵本です。
それにしても著者紹介の写真の石井さん、若い!しかし亜土タンは‥変わってない‥。す、すごいです。絶版。




コフレグルマン。ファンタジック!
パリジェンヌのメルヘンケーキの絵本
不思議の国のファンタジー

イザベル・アナルジロス料理/アリーヌ・リキエ絵
長谷川隆子訳
講談社

80年代前半、こういうメルヘンが臆することなく、大手をふってまかり通ることのできた時代だったのです。超激甘なタイトルからも想像できる思いっきりオンナノコチックなおやつの数々。でも今見ても、手垢がついてなくてとても新鮮に感じるのはなぜでしょう。どうにもうっとりしてしまいます。なんといっても、色づかいが上品なのですね。ところどころに仏作家の言葉の引用があるところもナイス。ハードカバー30ページ。版元品切。




Caught in the icy stare
of the snow queen!

パリジェンヌのメルヘンケーキの絵本
雪の女王のデザート

イザベル・アナルジロス料理/アリーヌ・リキエ絵
長谷川隆子訳
講談社

80年代前半、こういうメルヘンが臆することなく、大手をふってまかり通ることのできた時代だったのです。超激甘なタイトルからも想像できる思いっきりオンナノコチックなおやつの数々。でも今見ても、手垢がついてなくてとても新鮮に感じるのはなぜでしょう。どうにもうっとりしてしまいます。なんといっても、色づかいが上品なのですね。ハードカバー30ページ。版元品切。




目にもたのしいお菓子のお話

可愛い女へ お菓子の絵本
鎌倉書房書籍編集部 昭和53年2刷
鎌倉書房
262*186/224ページ
ハードカバー
童話のお話からインスパイアされた、お菓子や料理の本はいままでも数々のものが出版されてきましたが、これはその先駆的な1冊といえるのではないでしょうか。いろんな物語にあわせたお菓子がつぎつぎと登場します。不思議の国のアリスのお茶会のケーキや、メアリーポピンズのフラップジャックス、足長おじさんの野菜のパイ、アンのGゲイブルズ風ブラウニー、白雪姫の悪魔のコンポートに、シンデレラのスフレ…そのほか眠れる森の美女、ふたりのロッテ、アルプスの少女ハイジ、赤ずきんちゃんの生まれた国ならではのお菓子レシピが続々と。お話と、料理の写真が見開きで紹介されてます。「可愛い女へ」と書いて[かわいいひとへ]と読ませるタイトルのセンスはともかく、今見てもレシピはかなり本格的で、なにより、わたしのような不器用モノでも、作ってみたいと感じるのは、童話マジックとでもいいますか、やっぱり物語とオヤツは切っても切れないものであると実感。制作入江麻木氏ほか。絶版。当時定価2,500円




料理が気になっちゃってお話がうわの空かも。
可愛い女へ 料理の絵本
鎌倉書房書籍編集部 昭和54年初版
鎌倉書房
262*186/220ページ
ハードカバー
同じくこちらは料理の本。小公女のミンチン先生の塾でのスコッチエッグのランチ、ガリバー旅行記ブロブディンナグの百姓の一皿料理、若草物語のコンビーフのシチュウ、家なき子ギャロフォリ親方のパリ風煮込み、そのほかアン、ピノキオ、ラプンツェル、ドンキホーテの世界から、さまざまなレシピの数々が写真とお話とともに紹介されてます。制作同じく童話作家で料理研究家の入江麻木氏ほか。絶版。当時定価2,500円。




写真が豊富なカラーページ
モノクロページにはお菓子の由来が
ものがたり愛のお菓子絵本
今田美奈子著 1987年初版
A5変/128ページ
こちらは同じものがたり系でも、物語にちなんだお菓子でなく、お菓子にちなんだ物語をケイトグリーナウェイの挿し絵とともに楽しむ本です。クリスマスやバレンタイン、プレゼント、バースディ、ティータイム、デザートのお菓子が今田流レシピと、お菓子の生まれた背景やエピソードの物語とともに紹介されていて、お菓子好きにはなかなかためになるお話がいっぱい。タルトや、ピーチメルバ、パイやクレープなどにまじって、めずらしいお菓子とエピソードも掲載されていてなかなかべんきょうになります。ウィーンに「錠前屋の少年と洗たくやの娘」って銘菓があるのですね。知らんかったー。「お菓子のABC」というお菓子の基礎が学べるページもあり。絶版。




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こどもがつくるたのしいお菓子
婦人之友編集部・昭和61年11刷
婦人之友社
B5変
これまたかわいいちびっこのためのお菓子づくりの本です。料理のできあがりの写真が巻頭にある以外は、作り方もすべてイラストで構成されているのですが、このイラストの力の抜き加減がなんともいえません。そして、メニューはちびっこゴコロの定番、フルーツパンチや、アイスクリーム、ゼリー、クッキー、ケーキ、日本のお菓子、パン、スナックまで。準備や、分量のはかりかた、道具の使い方などのていねいな説明もついています。





●裏表紙-中をのぞく-中をのぞく
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千趣会COOK
1961年1月・2月・7月・8月号
182*127/各90ページ

昭和の奥様や、BG(いまのOL)さんたちが、毎月楽しみにしていたおなじみ千趣会の通販雑誌、「暮らしと料理のアイデア-クック」です。ほんとうは、これにお料理カードがついているため、この誌面中でもカードの中から抜粋した写真が紹介されています。当時の女性気質に関するテーマが多い「特集」や、「暮らしの知恵」、「随筆」(幸田文、春山行夫、鴨居羊子、深尾須磨子など、執筆陣も豪華)読み物としてとてもクオリティの高い仕上がりになっていると思います。もちろん料理や食べものにまつわるコラム、レシピも豊富。そしてご覧のとおりの昭和モダンな写真、イラストカットやいかしたキャッチコピーの宝庫でもあります。以下目次より。
【1月号】…カクテルをデザインする娘たち、おヨメさんの心得帳、キッチン・ミステリー目をつぶる魔魚、タバコをすわすのは誰か(鴨居羊子)などなど
【2月号】…アップルワインの作り方、甘党戦線異常あり、コーヒーのはなし、パリ-ニッポン(深尾須磨子)などなど
【7月号】…私のLOVE構成、夏を涼しくするムード(七夕のイラストがかわいい)、まずくち(幸田文)などなど
【8月号】…親のいいぶん、スパイスの科学、キャンプ料理、イチゴとえんどうのブルース(鴨居羊子)などなど